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【事例解説】不登校の子どもに兄弟がいる場合の危険性とは?

皆さん、こんにちは。不登校支援センター福岡支部の永島です。

本日は、不登校の子どもに兄弟がいる親御様にお伝えしたいことがあります。

兄弟_01

それは、不登校という症状は、兄弟にもうつる可能性があるということです。

これは【不登校の再発率が80%以上】という非常に高い数値とも関係することでもあります。

事例1:2人兄妹のご家庭

ある高校1年生の兄と中学2年生の妹のご家庭の事例です。

最初に「学校に行きたくない」と言い出したのは妹の方でした。

そんな妹に、親御様は学校に行く様に説得する毎日でした。妹も学校に行きたくないと言いつつも、行かなければならないと思っており、実際に休むつもりはありませんでした。

それでも「学校に行きたくない」という言葉を言わずにはいられなかったのです。ある種、この言動が妹にとってのストレス処理になっていたのかもしれません。

ところが、それまで何も問題なく学校に行っていた(と思われていた)兄が、急に学校を休み始めました。

最初は「お腹が痛い」などと、具合が悪いことを訴えていたのですが、その休みの頻度は増えていき、次第に休む期間が長くなってきました。そして2週間ほど続けて休んだときから、「学校に行きづらい」と、体調不良を訴えることなく休むようになりました。

その休んでいる様子を見ていた妹は、「お兄ちゃんばかり学校に行かないでずるい!」と言い出し、「自分も休む!」と休み始めました。

事例2:3人兄弟のご家庭

次に、中学1年生の兄、小学5年生の弟、小学2年生の妹のご家庭の事例です。

最初に学校を休みがちになり始めたのは中学1年生の兄でした。親御様はその子の不登校を許容し、見守ることにしました。

しかしそれが小学5年生の弟にとっては不満だったのか、弟は兄に対して

  • 「なんで学校行かないの?」
  • 「勉強しなくていいの?」

と責めるように問い詰めることもありました。それがきっかけで兄弟ケンカになることもあれば、兄の弟に対する手荒い態度がきっかけで弟が「学校に行ってないくせに!」と反撃することもありました。

そんな日々を繰り返しているうちに、兄弟の仲はどんどん悪化していき、兄は部屋からも出てこなくなってしまいました。

そして・・・

ある日、小学2年生の妹が寝坊してしまいました。妹は学校に遅刻するのが嫌だったのか、「具合が悪いから休みたい」と言い出します。親御様はそれを受容し、休ませたことをきっかけに、妹はそれからずっと休むようになりました。

小学5年生の弟は、そんな妹を責めることはありませんでしたが、兄妹に対してだけでなく、親御様に対しても日々態度が悪くなっていきました。

そして、ついには小学5年生の弟まで学校を休み始めました。

なぜ兄弟で不登校状態がうつりやすいのか?

一番大きな要因としては、『学校に行かない』という行動の選択肢ができてしまうからです。

子どもたちは学校に行き、ストレスを感じながらもなんとか続けようと努力しています。そのときの行動の選択肢の中に、最初から『学校に行かない』というものがあるわけではありません。

特に注意すべきは、「学校に行かないなんてずるい!」と兄弟を責めるような発言をしている場合です。

「学校が楽しくて仕方ない!」という状態の子どもであれば、学校に行かない兄弟に対して「学校が楽しめないなんてかわいそうだな」といった感想を抱いても、「ずるい!」とはならないでしょう。

つまり、「学校に行かないなんてずるい!」と言っている子どもは、学校生活に対して不満や不安を持っている可能性が非常に高いです。

子どもたちは、日々の生活において精一杯の努力をし、なんとかその不満や不安(=ストレス)に対応しています。

しかし、どの行動をとってもストレスに対処できなくなってしまったときに、『学校に行かない』という選択肢が生まれてしまい、それを実行してしまいます。そして、兄弟がそのような行動をとっていると、それを見て他の兄弟の中にも『学校に行かない』という行動の選択肢が生まれてしまいます。

「あ、学校に行かないのも有りなんだな」と。

『学校に行かない』という行動をとる目的は様々です。

 

  • 勉強から逃れたいのか
  • 人間関係から逃れたいのか
  • 親の気を引きたいのか
  • 同級生の気を引きたいのか
  • またはそれ以外の何かなのか

 

子どもによって様々な理由、目的があったりします。

そしてその子にとっての理由、目的が達成できると感じたとき、『学校に行かない』という選択肢を選び、行動するのです。

なぜ、他の兄弟が学校に行かなくなったのか?

それは、家庭環境や、その兄弟関係、子ども一人一人の性格などにもよります。

まずは前述の事例について、補足の説明をさせていただきます。

【事例1:2人兄弟のご家庭の場合】

妹が「学校に行きたくない」と言っているときに、既に兄も同じように感じていたようです。兄は口に出さないものの、妹と親御様が「学校には行くべきだ」という話を、ほとんど毎日聞かされている環境でした。兄としても、なんとか登校し続けようとしているのですが、毎日感じるプレッシャーに疲弊していきます。

ある意味、親御様は妹を説得しようとすることで、知らず知らずのうちに兄を責めているような状態になっていたのです。

ただでさえストレス処理が上手くいかなくて学校に行きたくないという気持ちが出てきているのに、余計にストレスを与えられては、状態が悪化する可能性は高くなるでしょう。

【事例2:3人兄弟のご家庭の場合】

これは親御様の言動からは、子どもを責めるような性質はあまりなかったと仮定できると思います。

しかし、その親御様の言動を、『頑張って学校に行っている小学校5年生の弟』はどう思うでしょうか?

当たり前のように学校に行っている自分には普通に接し、学校に行かなくなった兄に対して優しく振舞う親御様。さらには妹まで学校に行かなくなってしまい、そのご家庭では「学校に行かない方が当たり前」のような環境になってしまいました。

小学5年生の弟は「なんのために学校に行ってるんだろう・・・」と感じ、不満を持ち始めたようです。

元々「学校に行きたくない」と感じ始める要因は別にあるのですが、上記のように兄弟の不登校の状態において、その兄弟に対する周りの反応が、別の兄弟に対して大きな心理的影響を与えることがあります。

また、「あなたは兄弟みたいに学校に行かなくならないでね。」などと周りの人から声をかけられることもあるようです。これについては、【兄弟を侮辱されるストレス】や【プレッシャーというストレス】になることがあります。

では、どうやったら兄弟の不登校を予防できるのか?

例えば、事例2の3人兄弟のご家庭の場合、小学5年生の男の子に対して「学校に行っていることを誉めてあげる」という行動をとることで、少しは状況が変わった可能性はあります。

しかし、元々「学校に行きたくない」と感じ始めた要因を解消できていないため、時間が経てば同じ結果になってしまうかもしれません。また、「学校に行っていることを誉めてあげる」ということ自体が、学校に行っていない子どもに対してストレスになることもあります。

そのため、ひとつの対応だけではなく、状況に応じて、対応を増やしたり変えたりする必要があります。

前述の通り、元々「学校に行きたくない」と感じ始める要因は別にあるので、直接不登校の解消になるわけではありません。

しかし、兄弟の一人が「学校に行きたくない」と言い出したときには、

 

  • 学校生活においてどのようなことを考えているのか
  • 子ども自身がどのように過ごしているのか

 

他の兄弟も含めて、これらを聴くことから始めてみるのも良いと思います。

ご家庭の状況、その時のその兄弟を取り巻く環境によって、予防策、対応策は様々です。
これは年齢に応じて育て方が変わっていく子育てと同じだと思います。

ご家族だけで対応していくことが難しいと感じる方は是非専門家にご相談ください。

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