不登校解決現場レポート

子どもの「めんどくさい」という言葉に潜む危険

こんにちは。不登校支援センターの仙台支部の上原です。

突然ですが、子ども達ってよく「めんどくさい」って言いませんか?

大人でも「めんどくさい」とよく言う人、たくさんいますよね。

不登校の子に限らず「だるい」「めんどくさい」という言葉は、よく聞く気がします。

私自身も日々生活していると「めんどくさい」と思うことは多いですし、口にすることも多々あります。

ある意味、ごく普通のことですが、今回は「普通と少し違うめんどくさい」について考えていきたいと思います。

子どもがよく言う「めんどくさい」という言葉

実はこれ、ある意味で「死にたい」と言ってる時よりまずいと思うことがあります。

普通に考えたら「死にたい」って言葉のほうが重いですよね。でもこの「死にたい」という言葉を本気で言っている子はあまりいません。

誤解を恐れずあえて言うなら「死にたい」と言っている人のほとんどは死にません。何も言わず、急に自殺してしまう人のほうが圧倒的に多いのではないかと思います。

もちろん「じゃあ死にたいって言われてもほっときゃいいんだ」ってことじゃないですよ。この言葉には、この言葉が発せられた時に取るべき対応があります。

しかし、今回はその話ではないので割愛します。

私がカウンセリングの現場でよく聞くのは「死にたい」より「めんどくさい」です。

  • 「宿題をやるのがめんどくさい」
  • 「ご飯を食べるのがめんどくさい」
  • 「朝起きるのがめんどくさい」
  • 「学校に行くのがめんどくさい」

そんな言葉を耳にされたことってありませんか?

たまにそういった言葉を聞くことがある、という程度ならそこまで気にすることではないかもしれません。ただそれこそ毎日にように口にしているような状態だとしたら注意が必要です。

それは何故でしょうか?

「めんどくさい」と思うことは人間なら当たり前で、別に特別おかしなことでもないですよね。

皆さんもめんどくさいって思うことあると思います。毎日あってもおかしくないくらいです。しかし「めんどくさい」って思いながら、最低限のことはやっているかと思います。

例えば、「めんどくさい」からって会社を休んだりしませんよね。憂鬱な気分になりながらも、ちゃんと行くはずです。

わざわざ「めんどくさい」と口にして、態度で示してくる、というのは「そろそろ私(僕)限界かも」という合図かもしれません。

同時に言葉通りにただ「めんどくさい」というだけではない可能性もあります。

例えば・・・

「学校に行くの最近友達とうまくいっていなくて休み時間も1人でいることが多い。自分から声をかけたり合わせたりすればいいのかもしれないけど、やり方がわからないし上手くやれる自信もないなぁ。色々調べて練習すれば出来るのかもしれないけど、そこまでするのもそういったことを説明するのもめんどくさい」
と、隠されている何かがあるのかもしれません。

子ども達から話を聞いてみると、意外とそういった隠されている本音が出てきたりします。

子どもはそんなこと思ってたり、考えていたりしたのか、と分かることで、とるべき対応も変わってきますよね。

普通(最低限のことはやる)と違う「めんどくさい」の怖さがある

子どもの発する「めんどくさい」の中には、普通の「めんどくさい」は違うものがあります。「めんどくさい」と言って、本当にやらなくなっちゃうんですね。

  • 学校に行かない
  • 宿題もしないし
  • 塾も休むし
  • お風呂も入らなくなったり・・・。

ご飯を食べることすら「めんどくさい」と言って減らす子もいます。これ、普通の「めんどくさい」とは違いますよね。

「めんどくさい」ということは「やろうと思えばできる」ということです。

  • ご飯を食べるにしろ
  • 部屋の掃除をするにしろ
  • お風呂に入るにしろ・・・

「めんどくさい」けど「出来ない」わけじゃないですよね。

しかし、この「めんどくさい」という感情に流されてずっとやらないでいると、「出来ること」と思っていたことが「出来ないこと」になってしまいます。

それが一番恐ろしいのです。

人間というのは変化によって強いストレスを感じる生き物なんです。「めんどくさい」とやらないでいる状態が続くと、元の状態に変化させる際、とてもいやな気持ちが沸いてくることがあります。私達も長期休暇でお休みした後、またスタートするときには腰が重くなったりしますよね。

加えてこれまでの生活でとても頑張っていたタイプの人などは、一度そうやって休んでしまうと動き出せなくなってしまうことがあります。燃え尽き症候群みたいなイメージに近いかもしれません。そうなってしまうと、もう一度動き出すというのは、またとても頑張る生活をしなければいけない・・!」という思い込みも生じやすいです。

実際にはどのくらい頑張るか、なんて自分で決めて続けられるペースでやればいいのですが、基準が以前の自分と同じなのでとてもハードルが高くなりがちです。そうなると越えることができなさそうなハードルを見て、余計に動けなくなる、なんて悪循環に陥ってしまうこともあるんです。

ここで、「めんどくさい」という子どもの事例をひとつ紹介します。

A君は「1ヶ月休んだらちゃんとまた学校に行く」と母親に約束していました。

A君は本気で、1ヶ月経ったら学校に行こうと思っており、今は行くのがちょっと「めんどくさい」けど、行こうと思えばいつでも行けるし、ちょっと休みたいんだ。

そんな感覚で居たそうです。

お母さんも悩みながらA君の言葉を信じることにして、学校を1ヶ月休ませました。そして1ヶ月後、A君は学校へ「行こうと思っても行けなく」なってしまっていました。

一番焦ったのは本人です。

自分はいつでも行こうと思えば行けると思っていたのに、いざ行こうと思ったら身体が動かなくなっていた・・・。

これは恐怖ですよね。

行こうと思っても行けない状態になってから、訓練などをし出して、無事学校に行けるようにはなりましたが、彼は、「出来ると思っていたことが出来なくなる」、という感覚を初めて知ったようでした。

子どもたちに限らず「やろうと思えば出来る」というものは多いですよね。

例えば、ダイエットとか禁酒するとかタバコをやめるとか。やろうと思えば出来るけどやっていないだけ、と思っていることを、実際に行動に移すことが出来る人ってどのくらいいるでしょうか?

実際に出来たとしてもやりだすにはきっかけが必要だったりしますよね。それらが原因で恋人に振られるとか、医者から指導を受けるとか、健康診断で病気が判明したとか・・・。なにか「仕方ない、やるか」と自分で思えるものが必要だったりします。

では、子ども達がめんどくさいと感じることに「さあやるぞ!」と思えるようになる為には何が必要でしょうか?

今回紹介したA君の場合は「1か月経ったら」と期限を区切っていて、さらに自発的に動こうとしたので気付けましたが、そうでない場合はどうなったでしょう。考えると少し怖いですね。

「めんどくさい」と言わず行動できていますか?

大人になると「昔は出来ていたのに今は・・・」ということは多いと思います。でも子どもってそういうことが少ないです。

むしろ成長と共に出来ることが増えていくことのほうが多いですよね。そして壁にぶつかって初めて「出来ないこと」が増えていることに気付きます。

「めんどくさい」と言って、出来ることをやらないでいると、それがある日「出来ないこと」になってしまうんです。

だから「めんどくさい」は恐ろしい。

こと不登校に関して言えば「死にたい」より怖いと思うことすらあります。

もし子ども達が「だるい」「めんどくさい(めんどい)」と言い出したら注意してみてください。そう言いながらも、最低限動いていればまだよいです。

しかし「めんどくさい」に流されて、やらないことが増えていったら危険信号。

子どものことをよく見ておくのも、予防・解決には効果的ですね。

それではまた。

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