不登校克服~苦しみや悲しみを乗り越えるために必要なこと②~
こんにちは、不登校支援センター横浜支部の安則芳郎です。
前回のブログでは、
- 感情には本物の感情とニセモノの感情があること
- ニセモノの感情は幼少期の経験が基になって作られ、本物の感情の代理感情として使われることがあること
- 代理感情だけではうまく乗り越えられない出来事やストレスがあるということ
要約すると上記のことをお伝えしました。
詳しくは前回ブログ「不登校克服~苦しみや悲しみを乗り越えるために必要なこと①~をお読みいただければ幸いです。
>>>不登校克服~苦しみや悲しみを乗り越えるために必要なこと①~<<<
前回までは、感情についての解説がメインでしたが、今回はタイトルにもある「苦しみや悲しみを乗り越えるために必要なこと」について具体的に触れていきたいと思います。
本物の感情を感じきることの大切さ
先に述べたように、代理感情だけではうまく乗り切れない出来事やストレスに向き合っていくためには、
- 「自分が持っている本物の感情は何か」をしっかりと把握すること
- そしてその感情を十分に感じきる(味わう)こと
この2点が重要とされます。
例えば、人間関係の中で深く傷ついた経験があったとしたら、
自分が本当に感じていたのは「悲しみ」だったんだとか「怒り」だったんだという感情に気づき
↓
その感情を思い切り感じきること
というプロセスを踏んでいきます。
ある方は「悲しみ」の感情を感じきるために、カウンセリングの中で今まで自分の身に起こったことを全てお話してくれ、止まらないほど涙を流され、悲しみを味わっておられました。
またある方は「怒り」の感情を、怒りを感じる相手がさも目の前の空イスに座っているかのような想定で(エンプティチェアという方法です)その相手に対して感じていた怒りを全てぶつけてくれました。
いずれのお方も1回のカウンセリングで全てを乗り越えることができたわけではありませんでしたが、何回かこのような方法を用いながら「本物の感情」にアクセスし、それを感じきることで心の浄化がはかられていったケースでした。
自己開示の重要性
広く捉えると、上記に挙げた例は、「自己開示」という「心をオープンにする」ことで得られるメリットとも言えると思います。
「無理してない?」と聞かれて、本当は無理をしているのに「大丈夫だよ」と答えたりすると、言葉と心が一致していない状態になり、どんどん不満やモヤモヤが溜まっていきます。
そんな時、少しでも「今少し無理していて、きつい」という事を言えると体が楽になり、次のことを考える余裕が生まれることもあります。
このように自分の心をオープンにすることで、物事に対処できるエネルギーを生み出す事にもつながっていくのです。
不登校の克服にむけて
不登校克服のまず第一歩として、これまでにあげたように
自己開示ができ、本物の感情を把握し、感じきるプロセス
が大切になってきます。
そのためにカウンセラーは子どもたちに安全・安心を感じてもらい信頼関係を築きカウンセリングを進めていきます。
ご家庭の中でも、本物の感情に気づかせてあげることが不登校克服の第一歩ともなってくると思います。
皆様とともに、子どもの支えとなれれば幸いです。
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