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「明日は学校に行くよ」と言ってたのに当日になったら行かない理由とは⑦ ~自分らしさを表現する②~

こんにちは。

不登校支援センター横浜支部カウンセラーの本沢裕太です。

3月・4月は、メディアの番組構成も大きく変わる時期ですね。

私が、良く聴いていた番組のパーソナリティーが3月で卒業となりました。

その方がおっしゃっていた言葉がとても印象的だったので、ご紹介したいと思います。

「パーソナリティーは良く「しゃべり手」と表現されることが多いですが、私は「聞き手」だと思っています。リスナーの皆さんが声を届けてくれることで、ラジオという小さな箱に心が宿るんだと思います。」

これは、ラジオパーソナリティーだからということではなく、「自分の発信したことをキャッチしてくれる人がいる」と思える事って、共感を生んだり、励まされたり、勇気づけられたり・・・そんな効果があると思うんです。

普段の何気ないコミュニケーションの中でも、「聞き手」になることの大切さを改めて感じさせてくれた出来事でした。

 

さて今回は、前回の続きで

  • Aさんが、自分を好きでいられるにはどの様に過ごせたら良さそうか
  • Aさんが、自分から興味を示して楽しめる事に取り組めるためには、どうしたら良さそうか

について親御さんと一緒に考えていった経緯をお伝え致したいと思います。

自分らしさを表現することより・・・

自分らしさを表現することよりも周囲への同調意識が強くなってしまったAさんへ、親御さんはご家庭でのコミュニケーションから見直していかれました。

皆さんも耳にした事があるかもしれませんが、「 I (アイ)メッセージ」で伝える事を意識されたのです。

Aさんは、その頃家で、自分の存在意義を確認するかのように自分の描いたイラストを見せてきては、「私スゴい?」と聞いてきたり、親御さんの頼んだ事をできた時に「私エラい?」と聞いてきたりしていました。

その際に、これまでだったら

  • こんなの描けたんだ!(あなたは)すごいじゃん!
  • 出来たんだ!(あなたは)えらいじゃん!

と褒めてらっしゃいましたが、 「何かが出来た時に評価する」声掛けは、「あなたは周りから評価される為に行動する必要がある」というメッセージが強調されやすいので、同調意識を強化してしまう背景もございます。

一方、Iメッセージを用いて伝えて頂くと

  • この絵の色使い、(私は)好きだな~
  • (私は)この目が特に良く描けていると思ったんだけど、どうやって描いたの?
  • これやってくれたんだね、ありがとう!またやってくれたら助かる!
  • ここまで気を配ってくれたんだ!(私は)嬉しい!

と、その子の「物事の捉え方や考え方を肯定する、または共有する」為の声掛けとなったり、「自分は周りの人の役に立てた」と感じられる声掛けとなります。

そういった声かけを多く出来るように、親御さんはAさんと共有する時間を増やしておられました。

例えば、一緒に同じゲームをしたり、外出したり、イベントに参加したりなどです。

すると段々と分かってきた事が増えてきます。

  • 積極的に自分から話しかけられる
  • 評価されるために頑張れる
  • 面倒見が良い

親御さんも、Aさんと同じ環境下で子どもの様子を観察することで共有できることが増えましたし、その子が元々持っている強みを少しずつ見つけていかれました。

するとAさんも「今のありのままの自分」を受容出来るようになっていました。

その時の気持ちを大好きな「色」で例えて話してくれました。

自分が好きな色は2色あるのだけれど、その2色はカラーホイールで見ると真逆の位置にある。

自分の好みはそれだけ両極端なんだと落ち込んだりもしたけれど、ネットでその2色が同一の結晶の中に存在する天然石の写真を見つけて、とてもキレイだった。

それを見つけた時に「自分は自分でいいんだ」と思えた。

そう思えてからは、人とのコミュニケーションにおいて感じ方が変わったとも話してくれました。

これまでは、「相手に合わせる」=「自分を0にする」と考えていたので辛かったが、

今は「自分と相手が重なり合う部分を共有する感じ」だと表現していました。

このように思えるようになったのは、親御さんがIメッセージで伝えて頂いたおかげだと私は思っております。

 

是非、ご参考になさってみてください。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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