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「先延ばし」は良いこと?後回しのメリット・デメリットとは?

こんにちは。東京支部の松本です。

外に出ると吐く息が白くなるほどすっかり寒くなりましたね。皆様体調はいかがでしょうか。私は寒さがとても苦手なので毎朝布団から断腸の思いで抜け出しております…。

さて、今回は「先延ばしが行動や感情に与える影響」についてお話したいと思います。

先延ばしに対するイメージ

皆様は「先延ばし」と聞いてどのようなイメージが浮かびますか?

  • やるべきことをやらない
  • だらしない
  • 怠惰
  • 楽な方に流されやすい
  • 痛い目を見る
  • アリとキリギリスのキリギリス

もしかすると先延ばしと聞いて「うちの子どもはやらなければいけないことを後回しにしてるなあ」だったり「自分自身にも先延ばし癖があるなあ」と思われた方がいらっしゃるかもしれません。

マイナスなイメージを持たれがちな「先延ばし」ですが、果たして当人の行動や感情にマイナスな影響だけしか与えていないのでしょうか。

私自身先延ばしを繰り返す人生を歩んできたこともあり、過去に先延ばしに関する先行研究を調べたことがあったので今回は「先延ばしによる影響」をいくつかご紹介します。

*今回ご紹介する先行研究は一番最後の参考文献の欄にまとめてますので、興味のある方は是非元の文献も読んでみて頂ければと思います。

先延ばしによるマイナスな影響

それでは、先延ばしが与えるマイナスな影響から挙げていきます。

大学生を対象として先延ばし行動と失敗行動の関連について研究を行った結果、課題を先延ばしにする人は、期限間近に慌てて課題に取り組むため以下のような失敗を起こしやすいことが示されました。

  • 「アクションスリップ」→実行中の行動への注意が不十分なために起こる失敗
  • 「認知の極小化」→認知が狭く硬直化し、処理できる情報の範囲が狭まること
  • 「衝動的失敗」→状況の見通しが悪いためによく確かめないで行動するために起こる失敗

さらに、先延ばしをよくする人はしない人に比べて、失敗をする傾向が高いことが示されました。

上記の研究結果を見るに、先延ばしをすることにより時間的にも気持ち的にも余裕がなくなるため、先の見通しを立てられなかったり、視野が狭くなり不注意が生じたりすることで失敗に繋がりやすい傾向にあるようですね。

余裕をもって物事に取り組むことの大切さを改めて感じます…

それでは、感情にはどのような影響を与えるのでしょうか?

こちらも大学生を対象とした研究ですが、先延ばしが過度に行われることによって「自分は駄目だ」「意志の弱い人間だ」などの自己批判によって不安や抑うつ感情を経験することが示されました。

繰り返し行われる先延ばしにより「自分は駄目な人間なんだ」「いつも同じ失敗を繰り返す」などと考えるようになり感情面にマイナスな影響を与えるみたいですね。私も痛いほど思い当たります…。

先延ばしによるプラスな影響

さて、ここまでマイナスな影響を挙げていきました。

こう見ると先延ばしにいい事なんて1つもないのでは…という感じがしますよね。

しかし、どんな物事にも一長一短があるみたいです。調べてみるとプラスな影響もあったので挙げていきます!

今回も大学生を対象とした研究です。

先延ばしをする中で常にマイナスな感情が生じているわけではなく、先延ばし前のマイナスな感情が先延ばし後にはやる気へと変化していることが示されました。また、先延ばしにはいくつかのパターンが存在しており、気分の切り替えを目的とした計画的な先延ばしは、目標の明確化が進み、気分悪化が生じない気晴らしとしての効果があるストレスへの対処法としても用いられていることが示されました。

先延ばしをした後でも「めんどくさい、やりたくないなあ」といったマイナスな感情が「もうそろそろやらないとなあ…。めんどくさいけどやるしかないか」といったやる気に変わったり、考えをまとめようと意図的に先延ばしをすることでストレスへの対処にもなっているみたいですね。

まとめ

「先延ばし」は行動の失敗に繋がったり、先延ばしを繰り返す自分に否定的になり不安や抑うつといった感情を生じさせるマイナスな影響がある一方で、やる気を引き出したり意図的に先延ばしをすることによってやるべきことを明確にして、気晴らしなどのストレス対処にもなるプラスな影響を持っています。

以上の事から「先延ばしをすることは良くない!」というわけではなく、プラスな側面もあります。ですので、その強みを理解した上でどのように付き合っていくのかを考えると、先延ばしで困っている方々は今よりも楽になれるかもしれないですね。

もし、先延ばしとの付き合い方でお困りの際には私たちカウンセラーも一緒に考えていきますのでお気軽にお声掛けください。

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(*1) 藤田正 (2005). 先延ばし行動と失敗行動の関連について 奈良教育大学教育実践総合センター研究紀要, 14, 43-46.
(*2) 林潤一郎 (2009). 先延ばし後の思考内容と感情の関連―先延ばし傾向に着目して― 心理学研究, 79(6), 514-521.
(*3) 小浜駿・松井豊 (2007). 先延ばし過程における意識の変化の探索的検討 筑波大学心理学研究, 34, 27-35.
(*4) 小浜駿 (2012). 先延ばしのパターンと気晴らし方略及び精神的適応との関連の検討 教育心理学研究, 60, 392-401.