お悩み解決「一問一答」子供の心理学

子どもが自分で進むために周りができるサポートとは?

こんにちは。不登校支援センター東京支部の小林です。

寒さがだいぶ和らいで、また新たな年度が始まろうとしていますね。学年の変わり目を前にして、子どもたちからも次の学年に向けた様々な声を聞くようになりました。また、親御さんからは、子どもの姿を見ていて不安な時、親御さんとしてどこまで手を貸してあげたら良いのかどこまで自分でやらせるべきか迷ってしまう、というお話もお聞きします。そこで本日は、「どこまで手を貸したら良いのか」について、1つの考え方をご紹介できたらと思います。

「ちょうど良い」教え方とは?

先日、自分の味を引き継ぐ弟子を育てている、というお菓子の職人さんからお話をうかがう機会がありました。その時お聞きした、「ただ作り方を教えるわけではない」というお話が、子育てとも通ずるところがあるのかなと感じましたので、1部紹介させていただきますね。

その職人さんによると、ただ弟子に作り方や工夫の仕方を言葉で教えただけでは、できの良いものは仕上がらない、ましてや味の引き継ぎはできないのだそうです。

1つのものを何度も何度も作り上げるなかで掴むコツ、手や舌の微妙な感覚、徐々に気がついていく1つ1つの工程の意味といった、実際に自分で経験して身につけるものが何よりも大切だと言います。

そのため、教えることができる部分と、自分で経験させることの方が必要な部分とが分かれるのだとお話してくださいました。

この時、師匠である職人さんができることは、

  • モデル(手本)を示すこと
  • 気づくためのヒントや情報を与えること
  • 粘り強く修行につきあうこと

であり、あとは弟子が失敗しながらも成長していくのを見守る必要な時に最低限のアドバイスをする、という姿勢に徹するのだそうです。

言葉で全てを語ることは簡単なことですが、言葉では伝わらない部分まで弟子が身につけられるよう、辛抱強く修行につきあう・・・かっこいい姿ですよね。

子どもとの関わりに置き換えてみると・・・

ご紹介したお話は師弟関係の場合ですので、すべてを置き換えられるわけではありませんが、大人が言葉で伝えられるところと、子どもが自分で経験するしかないところがある、という点では、少し似ている部分があるのではないでしょうか。

どこまで教えてあげるべきか、どこから本人に任せるべきか、という問題は、時に、どこまでが教えてあげられることで、どこからは自分で考えたり経験しないと身につかないことか(見守るべきところか)、という問題になるのかもしれません。

また、少し近い考え方として、子どもの発達や教育では、L.S.Vygotskyの「足場づくり(scaffolding)」という考え方が大切にされています。

こちらは、

  1. 子どもが自分の力でできること
  2. 誰かに手伝ってもらえばできること

の2つを分けるという考え方です。

何が①、②にあてはまるかは成長の過程でどんどんと変わっていくのですが、②を①にしていくためには、できるだけ子どもが自分の力でやれるように、その時の子どもに合った足場を作ってあげること、つまり、その子のレベルに合った適度なサポートをしてあげることが必要だとされています。

職人さんで言う、ヒントや情報を与えて、あとは自分の力で気づかせるというところですね。

子どもの場合ですと、やり方のヒントを伝えたり、困った時にフォローをしたり、気持ちのサポートをしたり、といったところが②の「足場づくり」に、あてはまってくるかと思います。

こうした、子どもたちが自分の力で行うための「足場づくり」を周囲の人が行っていくことが、子どもの自分でやれることを増やす秘訣になると考えられています。

さいごに・・・

年齢によって、状況によって、子どもたちにとって必要な足場の内容は移り変わっていきます。今どのようなサポートが必要か迷ってしまった際には、ぜひお近くのカウンセラーと一緒に考えていきましょう。

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