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不登校への処方箋~対人関係の充実を図る~

こんにちは。不登校支援センター横浜支部の安則芳郎です。

季節は春を迎え、学校生活においても期の変わり目を迎えようとしています。コロナや地震など、まだなかなか落ち着かない日々が続いておりますね。学生やそれを支えるご家族の皆様、学校関係者の皆様にはどうかお体ご自愛頂きたく思います。

さて、今回は不登校への処方箋として特に重要になってくる「対人関係」について取り上げさせていただきます。多くの子ども、そして親御さんが頭を抱えるのがこの対人関係での悩みです。

実は

「全ての悩みは対人関係の悩みである」という言葉もあるくらい私たちは日々、人と人との関わりの中で迷い、苦しみを感じている生き物です。

不登校の子どもにとっても、復学やその後の社会への適応にむけてとても大事になってくるこの「対人関係」について

今回は

  1. 不登校の子が陥りやすい対人関係の悩み
  2. 対人関係の悩みが長期化することのリスク
  3. ご家族や周囲が出来るサポート

の3点に絞ってお伝えしていきますので、お付き合いいただければ幸いです。

①不登校の子が陥りやすい対人関係の悩み

臨床経験を通じて私が感じる不登校の子どもの対人関係における悩みというのは特に劣等感が挙げられます。

どの分野においてかというと、勉強、スポーツ、コミュニケーションの3つです。

例えば

  • どうせテストを受けたっていい点が取れない
  • 体育の授業が特に嫌い
  • オレ(私)、コミュ障だから

などの発言を聞いたことはありませんか?

往々にしてこのような発言の裏にある気持ちとしては人と自分を比べて「劣っている」と感じていることが多くあります。確かに学校という場では学業や運動、コミュニケーションの分野が多く取り上げられますので、その中で活躍したり、気分良く過ごせることは案外難しいものかもしれません。

そして「どうせやっても無駄」「追いつけない」「自分はこの程度しかできなから」など劣等感が大きくなり、だんだんと居場所感を失っていってしまう状況に陥ります。

悩みというのは他者の存在があるからこそ生まれ、その中に身を置く自分自身に対する捉え方によって膨れ上がったり、軽減されたりするものです。これこそが対人関係の悩みと呼ばれるものなのです。また、自分自身の中にある理想と現実の乖離で悩む子どももいます。

  • これは本来の自分の実力じゃない
  • もっとやればいいのはわかってるけど出来ない

など、思い描いている自分像とそうなれていない自分像のギャップに苦しめられる状態です。いずれにしても苦しさを感じておりこれらの思いが相まってクラスメイトから「離れる」方向にシフトしていく(ストレスを感じる状況から遠ざかる対処法をとる)ことがメカニズムとして挙げられます。

②対人関係の悩みが長期化することのリスク

上記のように劣等感を感じ、居場所感を感じられなくなってしまう状態が続いてしまうと心の余裕がなくなり、不適切な態度(過度な甘え、優越感を得るために兄弟などに暴力的な発言や態度をとる、いっさいのやる気を見せないなど)を表すこともあります。

それほどまでに劣等感に苦しめられている状態とは、心に隙間を作ることが出来づらい、苦しい状態といえます。そしてやがて学校や社会との接点を持たず家というある意味安全な、守られた空間の中に居続け外に出ていくこと、人と関わることへの勇気を失っていってしまうことが懸念されます。

つまりリスクとして挙げられるのは

  • 困難な状況を受け入れず
  • 建設的な思考が働かなくなり
  • 過度に変化を恐れてしまう

といったところになります。

これは学校生活のみならず、社会生活を送る上で困難を余儀なくされると言えるでしょう。

③ご家族や周囲が出来るサポート

では、劣等感を感じている子どもが、すなわち対人関係に悩みを抱える子どもがそれらによって心が押しつぶされたり、過度に変化を恐れたりしないようにご家族や周囲の人たちが出来るサポートとはなんでしょうか?

様々なアプローチがあるかと思いますが、いくつか例を挙げるとするならば

A. お子さんがどういった経緯のもと今のような劣等感(対人関係の悩み全般)を抱くようになったのか、推察してみる

  • もしかしたら、成績の事を話す時に出来ていない所に注目し過ぎて指摘していなかったかな?
  • 友達の前で苦手な運動をして、辛さを感じたことがあったかな?
  • 誰かと話している時に「何言っているのか分からない」など言われて落ち込んでいたことがあったかも?

など、子どもの背景を考え、推察しながら関心を向けてあげること。

B. 気持ちのゆとりが出来るようにお話を聴くことに徹する

心に余裕が生まれるためには、今抱えている思いを誰かに伝えることも効果的です。心のコップに水(ストレス)がたくさん入っている状態では新しい考えや新しい動きをしていくことが困難になります。お話を聴いてあげることでコップに溜まった水を抜いてあげるようなお手伝いをしていきます。

C. 共感的な関りを心掛ける

  • 本当は自分でも嫌気がさすくらい自分のことを責めてしまっている
  • 辛いことを言い出すのもなかなか難しいことがある
  • やらなきゃいけないとわかっているけど、動けない時がある

など、子どもの立場にたって考え、それを伝え返していくことで孤独感やプレッシャーを解消し心を楽にしてあげる。

D. 子どものありのままの姿を尊重し、承認する

実は劣等感を抱くことそのものは決して悪いことではありません。その子にとっての原動力にもなりえるのがこの劣等感です。

だからこそ、人と比べてしまうことも、自分の理想を追求することもそれ自体を受け入れ尊重する姿勢であったり、しっかりと自分と向き合っている証拠であるということを承認する姿勢で臨むことも大切です。

これらのアプローチによって、自身を受け入れ、より建設的な思考や行動が出来るように勇気づけてあげることが周囲に出来ることと言えるのではないでしょうか。

最後に

対人関係の悩みというものは尽きることなく私たちの身に降りかかってくる悩みです。中々状況を打破しにくいことも実態としてはあるでしょう。そんな時、今回のように劣等感に目を向けてみたり、周囲との関わりの中で少しだけ勇気を持てたりすることが悩みの解決への第一歩となると思います。人との関わりの中で感じた痛みや傷ついた心というのはやはり人との関わりの中でしか癒せないものです。私たちカウンセラーも可能な限りサポートをしていければと思っておりますので何かありましたら、お気軽にご相談いただければ幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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