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学校に行かない子ども。いったいいつまで待てば良いのか?

皆さん、こんにちは。不登校支援センター横浜支部の庄子です。

早いもので、12月が過ぎ去ろうとしている今日この頃、ようやく横浜も街路樹の葉が色づき、日の光が差し込む中、綺麗に散り出し始めました。

寒さも一層厳しくなりますので、どうかお体をご自愛頂ければと思います。

令和元年10月25日付 文部科学省発表の「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」

さて、令和元年10月25日付で文部科学省から「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)が各都道府県の教育委員会に出されましたが、皆さんお読みになりましたでしょうか?

今回の通知は、「不登校児童生徒への支援の在り方」について、今までに出された4つの通知を廃止した上で新たに出された通知となります。

様々なメディアでも言われておりますが、今回の通知の考え方に

『「学校に登校する」という結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自ら進路を主体的に捉えて、社会的に自立することを目指す』

とあります。

今までは「学校に復学させる」ことが支援の在り方のメインでした。しかし、今回はその明記を無くした上での通知となります。

つまり、教育関係の視点からのアプローチが「学校に戻って来るんだよ」から

「君には君の生き方があるんだよ」

という視点に変わったことになります。

しかし、子どもや親御さんの捉え方によっては「先生は学校に戻ってきて欲しくないんだ」と捉えかねないものになりますし、教育者側から見ても「無理学校に戻す必要は無い」と捉えてしまう可能性があります。

今回は、「不登校児童生徒への支援の在り方について」新しい通知の内容を踏まえた上で、親御さんがどの様なタイミングでどの様に動き出せば良いかをお伝えしたいと思います。

①親御さん自身の「余裕づくり」の準備が大切!

子どもが不登校になった際に一番の負担を強いられるのは親御さんになります。

確かに、子どもの将来は無限大に可能性があり、学校に戻らなくても生きて行ける可能性は多くあります。しかし、「親としては学校に行ってもらいたい」と思う方は多くいらっしゃると思います。

カウンセリングの中では、「何故、学校に行って欲しいと思うのか?」を親御さんに考えて頂くことがあります。

その理由の中に多くあるのは

親御さん自身の体験や社会経験

からです。実際、それ以外の生き方とは何か考えようとしても、親御さん自身が経験したことが無いと答えられないと思います。

つまり、「親が歩いて来た安全な道を子どもにも無理なく歩いて欲しい」と願うのではないでしょうか?

親として、子どもには当然幸せになってもらいたいと思うからこそ「学校に戻って欲しい」という選択肢が出てくるのは当然です。

その一方で、教育者側が「学校に戻ることがゴールではないよ」と安易に伝えてしまうと何を目的にすれば良いのか分からなくなります。

その為、まずは親御さんの気持ちを整理する中で、子どもにとってのゴールをどの様にするかを考えられる余裕づくりが必要となります。

②人の時間は「有限」であること

親御さん自身の余裕をつくる中で次に必要なことは、学校や地域との連携になります。

その連携の中で、不登校支援センターに来られる親御さんが、一度は言われている代表的な言葉が

「今は心の充電期間です。子どもがやる気になるまで待ちましょう」

です。親御さんとしても専門家の方から言われたら「そうなのか」と心なしかどこかで納得しようと努めてしまう時があると思います。

しかし、いくら時間が経ったとしても子どもに変化が無ければ「本当にこれで良いのだろうか?」と考えると思います。それはとても必然なことですし、子どもの時間も親御さんの時間も有限です。親がいつまでも働ける訳でもありませんし、いつまで生きることが出来るかは分かりませんよね。

その為、どの様にこれから動くかを考えていくことが大いに必要となります。

不登校支援において、子どもに必要なことは「学校に行くためのストレスの与え方」が関係しています。

③「学校に行くためのストレスの与え方」とは?

学校や会社に行けなくなる方は、学校や会社に「行かないようにする」ことで、これ以上のストレスを自分に与えないようにしています。これは、防衛反応の1つです。

この自分にストレスを与えないようにする防衛反応を、心のシャッターに例えてみます。

一度防衛反応としてシャッターを思いっきり閉めてしまうと、今度はどの様に開ければ良いのか分からなくなる傾向になります。

「思いっきり閉めたのなら、思いっきり開ければいい」

と勢いよく開けて行ける人も居るかもしれません。

しかし、大半の方は

「またあのストレスを受けてしまったら(感じてしまったら)どうしよう」

と怯んでしまい、防衛反応としてシャッターを閉じたままでいます。

すると、シャッターを

思いっきり開ける → 思いっきり閉める → 強く開ける → 強く閉める・・・・・→ 力なく開ける → 力がないため開けられない

となり、どんどんシャッターを開けることが困難になっていきます。そして、この症状が長引きひどくなる場合は引きこもり傾向になってしまう可能性もあるのです。

つまり、一生懸命に頑張ろうとする過程でシャッターの開け閉めを繰り返すうちに、自分に与えるストレスの与え方が分からなくなってしまったと言えます。

この状態の子どもに、ただただ回復を待つという対応を取り続けると、

「何度やっても駄目だった。次またやっても駄目だろう・・・・・考えるのはやめて他の何かに没頭しよう」

と結論付ける傾向に偏りやすく、心のエネルギーを溜めたとしても短期間の持続にしか繋がりません。

その為、環境に左右されやすく、その善し悪しで学校へ行けるか行けないかが決まる為、不登校をぶり返しやすい状態が続いてしまいます。

学校に行かない子どもに対しては「待つ」のではなく「どうストレスを与えるか」です。

学校に行かない子どもは「待つ」のではなく、「どうストレスを与えるか」がとても重要になります。

子ども自体、親御さんに話をしてくれなかったり、行けない理由を聴いたとしても「分からない」と答えたりすることが多いと思います。

実は子どもとしても「どうにか学校に戻りたい」と思い、様々な工夫をして試している子は多くいるのですが、先にも述べた通り、自分へのストレスの与え方が合って居なかった為、何も分からなくなった状態になっている場合があります。

その為、

  • 子どもにとってのストレスの与え方を親御さん自身が掴んでいく
  • 子ども自身も、自分へのストレスの与え方を学ぶ

この2つが子どもの自立にも繋がる大切なポイントとなります。

また、学校によっては動き出し方によって、学校に残れるか残れないかの判断を迫られる場面があると思います。

次回のブログでは、その場面が多くみられる高校生の不登校についてお話したいと思います。

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