不登校対応に大切なふたつの「はなす」
こんにちは。不登校支援センター名古屋支部の伊藤みゆきです。
若葉の緑が目に優しい季節から、だんだんと紫陽花などの雨が似合う景色が楽しみな季節になってきましたね。
今回は、子どもたちとのかかわりに大切なふたつの「はなす」のお話をしたいと思います。
子どものために何ができるか
カウンセリングの場で親御さんとお話をしていると、どの親御さんも 子どものために何ができるか をとても真剣に考えていらっしゃると感じます。
ですが、その親御さんの気持ちと裏腹に、そんな親御さんに対して反発している子どもも少なくありません。
子どもたちも決して親御さん憎し、ということではないようで、何とも言えないもどかしい気持ちになります。
親御さんにお話をお聴きすると、
- このままずっと動けないのではないか
- 子どもの様子が気になって自分のことにも手をつけられない
- 毎日が不安で仕方ない
といった、切実なお気持ちで過ごしている方もいらっしゃいます。
ですが、その想いは子どもにとって
- 自分のことをわかってくれない
- 親がいつも自分を監視している
- 自分だって毎日不安
こんな気持ちにさせてしまっていることもあるのです。
意識するのは、ふたつの「はなす」
お互いに不安を抱えているのに、気持ちがすれ違ってしまうのはもったいないですよね。
そんな時に意識してほしいのは、ふたつの「はなす」です。
ひとつめは「話す」
ここで大切なことは「話す」といっても決して一方通行ではなく、双方向のやり取り、つまり「会話」です。
会話には、話すことと聞くこと、両方とも必要ですよね。
こちらの想いを伝えるだけではなく、相手も想いに耳を傾けることも大切です。
それを意識できれば、ちょっとした日常会話でも十分です。
子どもたちが好きなゲームやアニメやスポーツなど、好きなものの話でも構いません。
いつも一方通行で終わってしまうのでしたら、まずは一往復を目指してみるところから、一往復できたら二往復、と少しずつ、会話が増えると気持ちも出しやすくなります。
お友だちとお茶をしているときのような、そんな気持ちで会話をしてみてはいかがでしょうか。
ふたつめは「放す」
文字通り、手を放すことです。
子どものことが気になりすぎて、常に子どものことばかり考えていませんか?
子どもたちにとって、時にその親御さんの姿勢がとても窮屈に感じてしまったり、いつまでも自分の想いを尊重してもらえない、と反発してしまうこともあります。
子どもたちは日々成長しているんですよね。
どこかで独り立ちをしていく、だからこそ、手を放せることは手放してみることも大切です。
「でも、もしそれで失敗してしまったら・・・」
そんなときは、失敗したという結果ではなく、自ら考えて行動したそのプロセスをねぎらってあげてください。そのうえで、次はどうするか、一緒に作戦を練ってあげるのも悪くないですよね。
失敗を恐れる気持ちはだれにでもありますが、失敗しないとわからないことも多くあります。
やってみないとわからない、だからやってみよう!
そんな風に子どもが思ってくれたら、親御さんもきっとうれしいのではないでしょうか。
簡単ではない、ふたつの「はなす」
ここまでお話してきましたが、このふたつの「はなす」決して簡単ではないと思います。
そこに至るまでには親御さんも勇気がいると思いますし、「話す」と「放す」の塩梅も難しい・・・
なぜ難しいかというと、それはご家庭の状況や、関わる人たちの価値観などによるものが少なくないからです。
もし、うちの家族の場合はどうしたらいいの?と思われたら、第三者と相談していただくことをお勧めします。
支援センターではご家庭に合わせた対応方法などのご相談もお受けしておりますので、よろしければ一度初回面談にお越しくださいね。
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