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子どもが不登校になったら、親は仕事を辞めるべきなのか?

こんにちは。

東京支部の椎名愛理です。

暑さに日々疲れていた時期が懐かしくなるほど、秋の訪れを感じる季節になりましたね。

本日はカウンセリングの中で度々お話に出る「子供が不登校になっているが、親として仕事を辞めるべきなのか」というご質問について、考えていきたいと思います。

親御さんが仕事を辞める・転職するなどのメリット

以前私が担当したあるご家族のお話です。

小学校2年生のAちゃんは、幼稚園の時は進んで行き、お友達との交流を楽しんでいたそうです。また幼稚園から小学校に入学した際の環境変化に対しても、不安そうなご様子も見せず毎日変わらないペースで登校されていました。

しかし、小学校2年生になった一学期、体調不良を訴えることが多くなり、遅刻や早退が目立つように。

そして夏休み明けの二学期には、一日登校したもののその後登校しようとすると家の玄関で足が止まり、動けなくなってしまったそうです。

Aちゃんの通う小学校では、遅刻で登校する際は学年関わらずご親族の同伴が必要。また早退も同様にご親族が学校にお迎えに行くことが必要というルールがありました。

Aちゃんのご両親は当時お二人ともお仕事をされていたため、遅刻であれば登校できそうな雰囲気でも、一緒に登校することができず仕方なく一日お休みするという選択をせざるを得ない日が続いていました。

そんな中、カウンセリングの中でお父様お母様からは

「もし自分たちのどちらかが仕事をしていなかったら、Aに付き添って登校ができるし、そうしたらAは少しでも気持ちが楽に学校に向き合えるのではないか」

「Aが今学校に行けていないのは、私たち両親の環境が問題で、そこを変えることが親としてAにできることなのではないか」

というお気持ちをお伺いしました。

Aちゃんの親御さんは、お二人で話し合いお昼からの出勤が可能な会社にお母様が転職する決断をされました。

その背景には、

お母様自身が、お仕事よりもAちゃんのサポートを優先したいというお気持ちを持っていたこと

・お母様のキャリアとしても、転職することが不利ではないという判断があったこと

Aちゃんからも、お母さんと一緒に登校する時は安心するという言葉あったこと

などがありました。

その後、Aちゃんは朝の時間に余裕ができたお母様と半日登校をする機会が増え、二年生の終わりの通知表では、欠席日数0、遅刻早退も10日以内という状態になっていました。

親御さんが仕事を辞める・転職するなどのデメリット

このご家族のお話だけを見ると、「やっぱり私たちが仕事を調整したら、子供にとっては最善なのか!」と感じられたかと思います。

しかし、実際には親御さんがお仕事を調整されたことでのデメリットを感じられるご家族もいらっしゃいます。

それは、

  • お子さんが「親に迷惑をかけている」「親の仕事を辞めさせてしまった」など、ご自分を責めるきっかけになっている場合
  • 親御さんとして、お子さんと接する時間が長くなることで、ご自宅にいるお子さんの色々な状態、行動が目につき、焦りや不安を強く感じるようになる
  • 『仕事を辞めてまでサポートしているのに』など、お子さんの状態が変わらないことに対して様々な気持ちが押し寄せてしまう

などです。

お仕事を辞める・転職するなどを検討する際大切なこと

それは、『その決断がお子さんにとってだけではなく、ご自分にとっても必要なことなのか』また『その決断は誰が望まれていることなのか』という点です。

先のAちゃんのご家族を振り返ると、転職することはお母様がご自分のキャリアを考える上でも不利ではないと感じられていましたし、またAちゃんからも「お母さんと一緒に登校したい」というお気持ちがありました。(そしてお二人のお気持ちを大切にしたいお父様のお気持ちも、勿論ございました)

もし、Aちゃんは望んでいないのに、お母様がAちゃんのために転職をすると決断されたとしたら、Aちゃんが後々どのようなお気持ちになるでしょか。

そこには、やはりご自分を責めるようなお気持ちになる可能性が考えられます。

そのため、こうした決断をする際には親御さんとしての目線、お子さんとしての目線、そしてその決断が皆さんのご希望であるのかといった広い視点で考えてみていただきたいのです。

とはいうものの、ご家族だけでこうした大きな決断をするのには勇気がいるものですね。私たちカウンセラーも皆さまと一緒に客観的立場から考えて参りますので、ご不安を感じられておりましたらいつでもお声がけくださいね。

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