お悩みの親御様へ

「良い親でいなくては」と感じるお父さん、お母さんへ~子どもは完璧な親を求めているのか?~

こんにちは。

東京支部の椎名です。

12月になり、一年の終わりを感じる雰囲気があちらこちらに見えてきましたね。来年のカレンダーや手帳、お節料理のカタログ、鏡餅…。段々と一年が終わる雰囲気を感じると、私は「今年一年、自分は充実した時を過ごせただろうか?」と振り返ります。みなさんはいかがでしょうか。皆さんの今年も、そして来年も穏やかで充実した一年でありますように。

前回のブログでは、なぜ私たちは「良い親にならなくては」と自分自身を縛ったり、「親ならば、こうあらなければならない」と理想の親像を自分に課してしまうのかについてお話しました。今回のブログでは、そもそも子どもたちは良い親を求めているのか?という点について考えようと思います。

~子どもにとっての親とは~

子どもたちにとって、親とはどのような存在でしょうか。

愛情を与えてくれる人、自由を制限する人、一番近くで見守ってくれる信頼できる人、口うるさい人…

いろいろな「親とはこういう存在」という答えがあるでしょう。実際カウンセリングの中で、お子さんたちからも「うちの親はこうなんだよ~」と、親御さんについてお話を伺うこともあります。

「うちはお父さんもお母さんも優しくて、恵まれていると思う」と仰る子もいれば、「うちの親は全然自分の話を聞いてくれない」と、親御さんについて辛口な意見も…。

しかし、どのお子さんにも共通して言えることは『親の言葉や行動をよく見ている』ということです。

親御さんとお子さん双方とお話していると、親御さんが使う言葉をお子さんが同じように使っていたり、親御さんの行動とお子さんの行動が似ていたりなど親子で似ている部分が多くあることに気づきます。

これは、お子さんが生まれてから育っていく時間の中で、一番多くの時間を共に過ごし、様々な姿を見て学び、身に着ける過程にいるのが親御さんだからでしょう。

つまり、親とは子どもにとって見本でもあり、そして鏡のような存在とも言えるかもしれません。

かくいう私も、母がよく使う言い回しである「どうにかなるでしょ」で、様々な出来事を乗り越えてきた気がします。(実際に乗り越えられてきたかは定かではありませんが、「どうにかなるだろう」と考えられることで、前に進むことができました)

~子どもの鏡になるからには、「良い親」でいなくてはいけないのか?~

では、皆さんの大切なお子さんが皆さんの姿を見て育つとしたら、皆さんがお子さんの鏡になっていくとしたら、皆さんは「良い親」であるべきなのか、そして「良い親」でいなくてはいけないのでしょうか?

私が以前お話していたある女の子について、お話しようと思います。

女の子は、当時高校1年生でした。勤勉で自分で勉強量を決めて課題に取り組むことができ、友達を自ら作り仲の良い親友と呼べる関係性があり、アルバイトと部活に励み、美容にも気を遣う。私が高校生で、彼女が同じクラスにいたらきっと「なんでもできる子だな」という印象を持ったと思います。

そんな彼女と、ある日親御さんのお話になった際「うちの親は、2人とも仲が良くて、休日に今でも2人でデートをしてます。お父さんは仕事が忙しくて帰りが遅いけど、家ではイライラしないし、お母さんは抜けているところがあるけど、私の話を聞いてくれる。料理が上手でママ友も多くて、友達からは「○○のお母さん綺麗だね」ってよく言われます」と、親御さんについて教えてくれました。

彼女の話は、そうした親御さんを誇らしく自慢に思っているというようにも聞こえましたが、その後に「二人とも高学歴で、仕事もしっかりしていて、趣味もある。週末に趣味に時間と体力を使えるくらいの余裕がある。そういうのを見てると、私もそうならなきゃ、頑張れる人にならなきゃ、友達も多くて、仕事もできて、人から好かれる人にならなきゃって思う…」と言葉が続きました。

~いい親、完璧な親というプレッシャー~

子どもが見ている親の姿というのは、ほんの一部ですよね。皆さんもご自身のすべてをお子さんに見せているわけではないでしょう。傷ついたこと、うまくいかなかったこと、ちょっと恥ずかしいこと…そんな姿を積極的に子どもに披露しようという親御さんは多くないと思います。

子どもたちのまだ狭い世界の中で、最も近くにいる親という存在が完璧に見えたらどうでしょう。自分もそうならなくてはと感じたり、自分の目指す姿が自然と親御さんに似た姿になったりということもあるかもしれませんね。少し話はずれるかもしれませんが、例えば親御さんが高学歴な場合、お子さんも自然と同じ水準の学校を目指すことになる背景には、こうした「親から受ける影響」や「親が与えるイメージ」が関連しているとも考えられます。

~親も一人の人間、完璧ではない~

もちろんですが、皆さんも親である前に一人の人間です。至らないところ、苦手なこと、自分でダメだなと思うところなどがあるでしょう。私も、例えば時間通りに事が進まないとイライラしてしまう短気なところがあり「まだまだ人間として小さいな」と自分を笑う時があります。

そんな「ちょっとダメなところ」があることが、お子さんにとって実は救いにもなるのです。

「親だって完璧じゃないのだから、自分にもできないことがあって当然」と思えるだけで、プレッシャーから少し開放されたり、至らない自分を受け止めることができるきっかけになるでしょう。

そう考えると、実は「良い親」でいすぎないことが、子どもにとってありがたい存在でもあるのかもしれません。

皆さんの感じる、自分のちょっとダメな部分を少しお子さんに見せてみませんか?「お父さんだってお母さんだって完璧じゃないんだ」そんな風にお子さんが思えることも、実は子どもの成長過程の中で大切な気づきでもありますよ。

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