勉強に「やる気」はいらない!?

こんにちは、不登校支援センター横浜支部の安則芳郎です。
カウンセリングで日々お話をおうかがいしていると、
- うちの子はやる気がなくて…
- 必要だとわかっているのに、どうして勉強を始められないのか
- 勉強するのは5分だけ。すぐに飽きてしまっている
などのお声をよく耳にします。
今回はこうしたお声に対して、
「やる気を出させる」よりも「始めやすい・続けやすい仕組みを整える」という観点、
すなわち「意思の力に頼らずに行動を自然に引き出す環境や仕組み作り」に焦点を当ててお伝えしていこうと思います。
≪参考≫
行動経済学では、「強制せず、そっと背中を押す工夫で、望ましい行動を選びやすくする仕組み」のことを「ナッジ(nudge)」と呼びます。
★ナッジの例★
- 食堂の目立つ場所にサラダを置くと、取る人が増える
- ゴミ箱に2つの投入口があり、そこに「コーヒー vs 紅茶 あなたはどっち派?」など2択から選んでもらうアンケート機能があり、思わずゴミを捨てたくなる
- 階段に楽しいデザイン(例えば音が出る等)を施すと、エスカレーターより階段を使う人が増える
など、いずれも「やりなさい」と命令はしていませんが、自然と望ましい行動(サラダを食べる、ゴミを捨てる、階段を使う)へ誘導してくれます。この「自然に行動が変わる仕組み」を家庭生活や勉強に応用していくことが注目されています。
「行動しやすい仕組み」をつくる

子どもたちは、心の負担や生活リズムの乱れなど、さまざまな背景から「最初の一歩」を踏み出すことが難しくなることがあります。以前ブログで綴ったように、こんな時、親御さんにはお子さんたちと「共にある」、すなわち共感や寄り添いを何よりも大切にしていただきたいのですが、やはりそれだけでは「物足りなさ」を感じる方もいらっしゃるかもしれません。
だからこそ、お子さんの応援者として出来ることの一つとして
「勉強しやすい仕組み」を考えてあげるという方法も検討してよいのかなと感じています。
ナッジを使った「勉強のハードルを下げる」工夫
命令や強制はせずに、行動しやすいように仕組みを作るやり方の例として、
- 「勉強ガチャ」
小さな紙に「10分読書」「1問だけ解く」「プリント1枚」「今日は休憩」などと書いておき、
勉強するかどうかではなく「どれにするか」をガチャで決める方法です。
ゲーム性が高まり、特にやる気が持てない子の抵抗感が減っていくことがあります。
- 「ミッション制」
ガチャにしなくても、言い方や伝え方ひとつでミッション風にすることも出来るかと思います。
例えば
・「武器 “シャープペンシル” を用いて英単語モンスター3体討伐」
・「15分間、”不退転”(その場から動かず集中するスキル)を使うべし」
・「今日のデイリーミッションは『漢字10個』の攻略」
など、なんとなくスマホアプリのゲームなどでも出てくるようなイメージで
とっつきやすくなりそうではありませんか?
- カレンダーの活用
勉強カレンダーを用意しておき、出来た日はシールを貼っていく、5日連続で達成したらご褒美ボーナスなど。見える化されていると達成感を味わいやすいですし、「この先も続けなきゃ」という思いに駆られやすくなってきます。
ご褒美ってどうなの?

ここで一つ取り上げたいのが、ご家庭内における「ご褒美」についてです。この「ご褒美」については様々な意見があるかと思います。
- 勉強は自分のためであり、ましてや学生は勉強することが本文
- 「勉強したらご褒美」といった「報酬システム」はいかがなものなのか?
- ご褒美が癖になって、それ無しには動かなくなることも心配
等。
あくまでも参考までとはなりますが、行動科学・心理学の世界では「外発的動機付け(ご褒美)」は最初のハードルを下げるうえでは有効なステップと考えられています。
先に挙げた例で言えば、「カレンダーの活用」「達成した際のボーナス」などは外発的動機付けの意味合いが強いです。
しかし、行動(すなわち勉強)を続ける中で、
- 「これ、終わると達成感がある」
- 「自分も意外と出来る」
- 「(苦手な)数学の中でもこの分野は好きかも」
などと感じるようになると、「内側からのやる気」、すなわち「内発的動機付け」が育ってくると考えられます。
小さな成功体験そのものが強化子=「やる気を引き起こさせる刺激」に繋がっていくのです。
このように、入り口は「外発的動機付け」であっても、それがだんだんと「内発的動機付け」に変わっていき、結果としてご褒美のためというより、それ(勉強)をやることそのものに意味を見出していくような流れになることは多いにあり得ると私は考えています。
もちろん、ここまでの領域に達することが難しいとは思いますし、
自分自身、普段だらけた生活を送っていて、ナッジをうまく活用できているとは到底言えませんが、、、
とはいえ、頭の片隅にナッジの活用や外発的動機付け・内発的動機付けなどがあると、何かの参考になるかと思い今回ご紹介をさせていただきました。
最後に
何らかの「仕組み化」をするにあたって、同じことを伝えるにしても「誰から言うか」によって子どもたちの受け取り方が変わってくることもあります。
親子間だからこそうまく伝えられない時、苦しさやもどかしさを感じる時など、親御様としてのお悩みもおありかと思います。何かありましたら私たちカウンセラーも共に考えていきたいと思います。
本日は以上となります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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