不登校における大人の責任と義務について
こんにちは。
仙台支部の上原です。
私は子どもたちと関わっている際に、子ども達がその時ハマっている物や好きなものの話を伺う機会があります。
「面白いからやってみてよ!」おすすめされてはじめたものなどもあります。
今日はそこから得たものについて書いて見たいと思います。
大人の責任と義務
知っている方ならこのブログのタイトルでもう何の話なのか分かるかもしれません。
これは「ブルーアーカイブ」というゲームのテーマになっているものだと思います。
ゲームについて詳しくない方も多いと思いますので、簡略化して少し書きますね。
学校の先生という立場の主人公が色々な学校の生徒さん達と交流しながらそれぞれが抱える問題を一緒に乗り越えていくお話です。
知っている方からすると「間違いとは言いにくいけど、合っているとも言いにくい」みたいな感想を持たれるかと思いますが、そこはお目こぼしいただければ幸いです。
私はとあるお子さんに教えてもらい、このゲームを進めてみたのですが、そのストーリーの主人公である「先生」の姿勢にとても感銘を受けました。
ギャグシーンでは正直どうかと思う言動、行動などもありますが、彼(彼女)には一貫している姿勢があり、それがとても共感できる部分だったのです。
先生は一貫して自分は「大人」であり、生徒は「守るべき子ども」として見ています。
悪いことをすれば叱るし、間違っていれば指導します。
しかし決して敵にはなりません。
どんなに敵意を向けられても子どもを信じ、大人の責任を果たし、守ろうとします。
子どもが何か間違ったことをしたり、自分を責めていたり、辛い目にあっていたとしたら。
どんな理由があろうともその責任はその世界の大人が背負うべきものだ、と言っています。
子どもが責任を背負う必要はない。
いつ、いかなる時であっても、子どもと共に生きている大人が背負うべき事だからね、と。
不登校になったお子さんに限らず、お子さんの周りにこう言ってあげる大人は、先生はいたでしょうか。
言葉にせずとも態度でそれを示している人はいたでしょうか。
残念ながら私は子どもの時にそれを感じることは出来ませんでした。
※うちの親はしっかりした立派な存在ですが、それを感じることが出来たのは私自身が大人になってからでした。
信頼から安心へと繋がる想い
これはゲームの中の話ですが、現実よりもゲームの中の方が理想的な大人がいる。
それは残念なことのように思います。
子ども信じ、守ろうとしていくれる大人傍にいてくれたら。。。
そんな風に感じる子どもたちもいることでしょう。
自分を見守ってくれるそんな存在を認識できれば、精神的な安定にも繋がります。
ピグマリオン効果などもありますが、だからこそ頑張れる子も増えるように思います。
現実には存在しています。
私の親もそうです。
しかしそうだと「認識するのがむずかしい」のです。
ここがゲームと現実の違いでしょうか。
ゲームの中では生死にかかわる大事件や、大きなトラブルが起こります。
そんな状況だからこそ、命を懸けてでも自分を守ろうとする大人の姿を見ることが出来ます。
しかし私たちが生きているこの日本は、世界的に見ても平和な国で、守ってもらうほどの大きな危険に出会う機会は少ないです。
それはとても良いことなのですが、だからこそ認識するチャンスも少なかったりします。
ジレンマですね。
ほとんどの親御さんがお子さんの命がかかるような場面では、自分の命を投げ打ってでも救おうと動かれるでしょう。
日頃疎ましく思っているような間柄でさえ、反射的に守ろうと動いてしまうのではないでしょうか。
でも「学校に行けない」「朝起きられない」「宿題をやれない」というような状況ではそういった姿を見せるのは難しく思います。
子どもたちが動けなくなったり、不適切な行動を取ってしまった時、上記のような大人の姿勢を示してあげられれば、また違う反応があるのではないかと感じます。
ある子が私に冷めた目で言ったことがあります。
「現実にはこんないい大人なんていないけどね」
その後、慌てたように「あー、でも先生はマシなほう」とフォローしてくれました。
とてもやさしい子だと思います。
と同時に、子どもたちにこんな風に思わせてしまったことを申し訳なく思いました。
最後に
自分自身、自分の人生に必死で、下の世代のために出来たことなど何があっただろうと考えます。
今はこの仕事に携われたので、少し関われた気になっていますが、違う職種であったら自分の生活に手一杯になり、見向きもしなかったかもしれません。
今の自分の職種に感謝しつつ、せめて自分が関わる子どもたちにだけでも、信頼できる大人の姿を見せられたらなと思います。
それには特別優秀であったり、凄い人である必要はないのでしょう。
自分は責任のある大人で、子どもは守るべき大切な存在。
その軸をブレさせなければそれでいいのです。
ただ、上記でも述べたように、それが子どもたちに伝わるには機会が少ないです。
また不器用な伝え方しかできないかもしません。
せっかくの気持ちが届かないのでは勿体なく思います。
お子さんの認識やどう伝えたらいいのか。
そんなお悩みの際はセンターのカウンセラーにご相談ください。
それではまた。
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