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お子さんが持つ「完璧主義」への向き合い方

皆さん、こんにちは。

不登校支援センター東京支部の園田です。

いつも不登校支援センターのブログをお読みいただき、ありがとうございます。

9月に入り新学期も始まりましたが、お子さんのご様子はいかがでしょうか?

不登校支援センターでも、9月は新しいご相談が増える時期となります。

夏休みという自由な期間から学校生活がまた始まるとなると、なかなかモチベーションを維持するのは難しいものです。私たち社会人でも休み明けはなんとなく気持ちが落ちていたり、やる気が出ないこともあるのではないでしょうか。

余談ですが私は休みの日は睡眠時間が長く、お昼頃まで寝てしまうこともあり、「一日を無駄にした…」という気持ちになることが非常に多くあります…。

お子さんが持つ「完璧主義」について

私が担当している親御さんにお子さんの特徴を伺った際、多くの親御さんが「うちの子には完璧主義な部分がある」と仰ることが多くあります。

ではなぜこの時期に「完璧主義」をテーマとしてブログを作成しているかと言いますと、長期休み明けのお子さんの中は、何事に対しても完璧にやり遂げようとする気持ちを強く持っている傾向があるからです。

夏休み明けのお子さんはどのようなことを考えているのか、少しまとめてみました。

  • 新学期こそは友達と仲良くなりたい、もっと関係を深めたい…
  • 夏休み期間中に勉強を頑張ったから、次のテストで良い点数を取りたい、周りを見返したい…
  • お母さんやお父さんのためにも休み前とは違う自分を見せなくちゃ、失敗はダメだ…

みなさんはこれらのお子さんの心情について、どう感じますでしょうか?

人間関係を良くしたい、夏休み期間中の努力の成果を出したい、また親御さんのために努力したい等強い気持ちを持たれているお子さんが多いように感じます。

もちろん中にはその気持ちがモチベーションとなり、前向きな行動が現れる可能性も大いにあります。一方、完璧主義によって自分自身を追い込んでしまい思った結果が得られずに状況が悪くなる可能性も同時に秘めています。

ではそもそも「完璧主義」な思考をなぜ持つことになったのか、少し考えてみましょう。

「完璧主義」になるお子さんとは?

まず完璧主義な思考を持つ理由は様々あります。

例えば

  • 過去に大きな成功体験があり、更に高い目標を設定しているから
  • 過去の自分から生まれ変わるため、焦りを感じつつ努力をし続けようとしているから
  • 親御さんのために良い評価や成績を取りたいと努力しているから
  • 完璧に物事を遂行できないと過度なストレスを感じてしまうから         等々

お子さんが「完璧主義」になる理由は、プラスの気持ちやマイナスの気持ちから来ることが多いのですが、理由は様々です。

私が関わっているお子さんも完璧主義を持つお子さんが多いと先ほど述べましたが、ここで伝えたいことは、みなさんのお子さんは昔から「頑張っていた」ということです。

親御さんが当たり前だと思うことでも、お子さんからすると大変なことも数多くあったかもしれません。

その「頑張る!」という気持ちが過剰に強くなった結果、無気力になったり、学校へのモチベーションが下がる結果に繋がったお子さんも多いように感じます。

では「完璧主義」に対してどのように向き合えば良いのか考えていきましょう。

「完璧主義」に対して親子がどのように対処すべきか

良い結果に繋がる可能性、一方で自分自身を追い込んでしまう可能性、その両方を兼ねる「完璧主義」に対してどのように向き合っていくかを考え、新学期から一歩ずつ前に進んでいきましょう。

実際に親御さん、そしてお子さんそれぞれの立場での向き合い方をまとめてみましたのでご参照いただければ幸いです。

【親御さん】

まずは先ほどお伝えをしましたようにお子さんは過去からずっと努力をしてきました。今は毎日ゲームして…、勉強せずに自分の好きなことだけやって…と親御さんが思うのも無理はないかもしれません。しかし、ここで大切なことは”今”のお子さんを認めて受け止めていただくことです。

また、完璧主義な思考になるお子さんはついつい視野が狭くなっている可能性が大いにあります。その結果、目標が未達成に終わってしまった場合に気持ちの落ち込みが大きくなることもあります。そのため、お子さんに対してなるべく多くの「選択肢」を提示してあげることも大切です。いろいろな人生の選択肢を提示することで、お子さん自身も柔軟に対応することができ、また気持ちの余裕にも繋がります。

最後にお子さんは、親御さんに対しての気持ちも強く持っておられます。

親御さんのために良い姿、結果を見せたい…、もう一度あの時の家族関係に戻りたい…など自分の行動で親御さんにアピールしていることが多くあります。

その気持ちを受け止めていただき、お子さんが望む結果にならなかった場合でもご本人に対して寄り添いの言葉をかけていただければと思います。

様々な選択肢の可能性の提示、そして100%という結果に拘るのではなく、過程に着目をお願いします。

【お子さん】

まずここで大切な事はお子さんの「完璧主義」は必ずしも悪いものではないということです。ですので完璧主義という思考を無くすのではなく、上手く付き合っていくということが重要です。

向き合い方の例を挙げるとすると「完璧にする範囲を限定的にする」ということです。誰しもが行動を執る際にこだわりを持たれると思います。「ここまでは手を抜けない!」「この部分だけは完璧にしたい」というこだわり自体を変えてしまうと、かえってストレスを抱いてしまうかもしれません。その拘り以外をどれだけ不完全に出来るのかをお子さんと一緒に考えていただければと思います。

例えば「時間」という範囲を限定的に設定し、この1週間は「○○を全力で頑張る」そして「来週は▲▲を頑張る」など長期的ではなく短期的に行動を変えてみましょう。

同じように「場所」という範囲を限定的に設定するのであれば、今日は「家ではゲームを全力でする」、「学校では英語の授業を全力で聞く」など、場所ごとに今日一日で何を頑張るのかを決めることも良いかもしれません。また重要なことはその目標自体もなるべく壁が低いものに設定するということです。

「不完全」という言葉を聞くと不安に感じるお子さんも少なくありません。

しかし、ある意味「不完全」という状態は自分ではどうにか出来ないから、友だちや先生、家族の力を借りるなど自分以外の人との結びつきを作るものとなります。常に完璧な状態だと自分自身で全てやり遂げてしまう、その結果として他の人へ協力を仰ぐ経験が少ないかもしれません。

完璧を目指す事は大切なことかもしれませんが、人間らしさ(不完全さ)を身に着けることも同じように大切なことであると理解することが大切です。

最後まで本ブログをお読みいただき、誠にありがとうございます。

新学期に入りお子さんのご様子やご家庭でどのような対応をすればよいかとお悩みをお持ちの方はお気軽に【 初回面談 】を受けていただければと思います。

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